祇園祭りの会所でよく見かける「ちまき」。
見た目は笹にくるまれた三角形のアレですが…「これって食べ物?」「飾るの?」「なにか意味があるの?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
実はちまきは、祇園祭りに欠かせない“厄除けのお守り”なんです。
しかも、山鉾ごとに意味やデザインがちがって、選ぶ楽しさもあるんですよ。
この記事では、「祇園祭ちまき」の意味・買い方・飾り方まで、はじめての人でもわかりやすくご紹介します。知ると、ぐっと祇園祭りが身近に感じられるはず!
祇園祭の「ちまき」って食べ物じゃない?
「ちまき」と聞くと、葉っぱで包まれたモチモチのおこわを思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも祇園祭りで売られている「ちまき」は、食べないちまき=お守りなんです!
外見は笹の葉でくるんだ円すい型。中身はなくて、玄関などに飾るための厄除けアイテムです。
「えっ、じゃあなんで“ちまき”って呼ばれてるの?」と不思議になりますよね。これは昔、中国から伝わった厄除け風習「粽(ちまき)を門に吊るす」習慣が日本でも定着したため。祇園祭りではその流れを汲んで、お守りとして受け継がれているんです。
なので、買っても食べられません(笑)。でも、見た目はすごくかわいくて、どこか京都らしい風情があるんですよ。
厄除けの意味と由来を知ろう
祇園祭のちまきには、いくつかの意味が込められていますが、いちばん大きいのはやっぱり「厄除け」。
そもそも祇園祭り自体が疫病退散を願う神事から始まったため、ちまきにも「災いを家に入れないようにする」という願いが込められているんです。
よく見ると、ちまきには護符(おふだ)や、山鉾名の入った紙札が巻かれていたりします。これがその年の“お守り”の役割を果たすわけですね。
また、ちまきを飾ることでその町内の山鉾とのつながりを感じることができる、というのもひとつのポイント。ちょっと粋な“京都市民気分”が味わえますよ。
どこで買えるの?山鉾ごとの違いとは
祇園祭ちまきは、各山鉾の「会所(かいしょ)」と呼ばれる町内拠点で販売されています。
宵山の時期には、提灯やのぼりが立っているのですぐにわかりますよ。
販売価格はだいたい1,000〜1,500円くらい。
鉾によってデザインや意味が異なっていて、それぞれの山鉾にちなんだストーリーがあるのが面白いところ。
たとえば…
- 長刀鉾(なぎなたほこ)のちまきは「災難よけ」
- 月鉾のちまきは「交通安全」
- 保昌山(ほうしょうやま)は「縁結び」
など、まるで“ご利益別のお守り選び”のような感じで楽しめるんです。
人気のちまきは早めに売り切れてしまうこともあるので、「これがほしい!」という鉾がある場合は、夕方より前の時間帯に訪れるのが吉です!
家に飾る時のポイントとマナー
ちまきを買ったら、次に気になるのが「どうやって飾るの?」という点ですよね。
飾り方はとってもシンプル
- 玄関の外(ドアの上)に吊るすのが一般的
- 画びょうやテープで固定することも多い
- 内側(玄関の内側や部屋の壁)に飾るのもOK
風で飛ばされたり落ちたりしないように、しっかり固定することが大事。
「見た目が気になるなぁ…」という場合は、額縁風に飾ったり、和風インテリアとしてアレンジする人もいます。
そして翌年、また新しいちまきを買ったら、古いちまきは神社に納める(お焚き上げ)のが正式な流れ。
でも京都以外の方は難しいと思うので、お守りと同じように白い紙に包んで、感謝の気持ちを込めて処分すれば大丈夫ですよ。
実はレア?限定ちまき・特別バージョンまとめ
祇園祭ちまきには、毎年出てくる“定番”だけじゃなく、限定デザインのちまきや、特別な装飾付きバージョンもあるんです。
たとえば…
- 金色の糸で巻かれた「金運ちまき」
- 柄入りの特製紙札つき「記念ちまき」
- 数量限定・手作り布袋入りのスペシャル版
など、鉾によっては「今年だけ!」のレアちまきを出すことも。コレクター心がくすぐられますよね。
なかには、事前に予約しないと買えないレアちまきもあるので、気になる人は鉾町の公式SNSや観光協会の情報をチェックしてね。
ちまきと一緒に、宵山の雰囲気も楽しみたい方はこちらもぜひ
まとめ
祇園祭ちまきは、ただの飾りじゃありません。
そこには「家族みんなが無事に過ごせますように」っていう、やさしい願いが込められています。
飾るだけでお祭り気分が高まるし、何より京都の風情をおうちに持ち帰れるのがいいですよね。
今年はお気に入りのちまきを見つけて、玄関に“京都の夏”を飾ってみませんか?